小さなイチョウの木
まだ黄色じゃないんだ。




小さなイチョウの木だ。




すぐさま階段を駆降り、イチョウの方へいった。




まだ緑色のイチョウはアパートの塀の裏に立っていた。





「全然気づかなかったよ。」





当たり前だか、イチョウからの返事はない。




「一人で寂しくないのかな。」




イチョウはアパートで太陽の光が当たらないせいか、少し寂しそうに見えた。





だから、まだ緑色の葉っぱをしているのか。




こんな小さいイチョウは見たことないな。




「…あれ?今、春だよね?」





ま、いっか。




季節を間違えたんだ。





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