フクワラ匕
ハジマリ
ココハドコ――?
あたしは暗闇にいた。
目を凝らしても見えるのは
ひたすら広がる闇、闇、闇――
怖い!早くここから出たい…!
ただそう思った。
「誰か~!!」
返事は無い。
悲痛なあたしの声は
空しい暗闇に呑み込まれていく。
「誰か、誰か、助けて!」
狂ったように叫び続けても状況は変わらない。
ここからはもう出られないの…?
最初に感じた不安は
いまや確信に変わりつつある。
心が闇におおわれる。
その時 、
!!
今、確かに遠くで何かが――
それに答えるように
暗闇の中、再び何かがキラリと光った。
誰かいるの?
あたしは迷わずその方向へ走り出した。
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