フクワラ匕
ハジマリ






ココハドコ――?


あたしは暗闇にいた。



目を凝らしても見えるのは


ひたすら広がる闇、闇、闇――




怖い!早くここから出たい…!


ただそう思った。



「誰か~!!」



返事は無い。



悲痛なあたしの声は

空しい暗闇に呑み込まれていく。



「誰か、誰か、助けて!」



狂ったように叫び続けても状況は変わらない。



ここからはもう出られないの…?



最初に感じた不安は


いまや確信に変わりつつある。


心が闇におおわれる。


その時 、


!!


今、確かに遠くで何かが――


それに答えるように


暗闇の中、再び何かがキラリと光った。



誰かいるの?



あたしは迷わずその方向へ走り出した。



< 1 / 79 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop