フクワラ匕

――――――――
――――…
――…




長い沈黙がその場を支配した。


気がつくと目の位置にある二つの穴から

液体が流れていた。


少ししょっぱい透明の液体。


あたしは泣いていた。




「どう?これが本当のあなた。」


冷静そのものという目で

あたしを観察していた少女は

そうだ、と何かを思い出した。


今度は何?



「あなたはもうここから出られないのよ」



「えっ?


あたしは耳を疑った。







< 14 / 79 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop