フクワラ匕
京花 ―side―
深月 京花―
それが少女から与えられた名前だった。
「可愛いでしょ?
ちゃんとした意味も有るのよ?」
「まぁまぁね。どんな意味が有るの?」
「ふふふ、今は教えられない」
…だったら最初から言わないでよ。
あたしは心の中で毒づいた。
少女は鏡の中で涼しげな顔をしている。
少女と話していて気付いたことだけど、
少女は外見と口調によらず
人を言葉でふりまわすのが好きみたいだ。
「それで、あたしは何をすればいいの?」
「焦らないで。今説明するから」
今みたいに。