フクワラ匕



あたしがそう言うと
今度は黒川君が驚いた顔になった。


「中学の時のこと…覚えてる?」


「あぁ、もちろん…」


「あたし…聞いちゃったんだよね、教室で」


今思い出しても泣きそうだから

当時は相当なショックだった。


「教室?」


僅かに彼の端正な顔がひきつっている。


そんな彼にあたしは告げる。


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