フクワラ匕





「あ、あたしは黒川君に
思いを伝えられただけで充分だから!」



なんとかその重い空気から抜け出したくて

必死に言葉をつむぐあたし。


そんなあたしを見て、黒川君は
申し訳なさそうな顔で


「ごめんな、須藤。でも、ありがとう」


そう言い残して体育館の裏から去っていった。


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