フクワラ匕


黒川君がいなくなってしばらくして

どんよりとした気持ちでカバンを持つと…


「最悪…」


フタがちゃんと閉まってなかったのか、

中の荷物がいくつか出てきてしまった。


荷物をカバンの中に入れようとして気付いた。


「筆箱が無い…」


そのままさっさと帰りたかったけど、
その筆箱は誕生日にいとこが買ってくれた
大切なものだった。


仕方なくあたしは校舎に戻った。



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