封船屋
秘密の雑貨店
私がその店を見付けたのは、本当に偶然だった。














長かった1日が終わり、いつものように家に向かって歩いていた。
学校帰りに友達と遊ぶ事にも飽きた。最近は、先に一人で帰ってしまうことが多かった。

遊びでさえも、人に合わせて動く事が面倒だった。


学校…、勉強…、友達との会話…遊び…
同じことの繰り返しで、代わり映えのない毎日。



ただ、退屈だった。



そんなことをぼんやりと考えながら歩いていた。
道路に転がっている大きめの小石ひとつに狙いをつけ、ずっと蹴り続けていた。

すると、変な方向へ蹴ってしまったのか、石が脇の方へ転がってしまった。
端まで取りにいこうかぼんやり考えていると、転がって行ったちょうどその前に、脇道があった。

こんなところに脇道などあっただろうか?

木々の間で目だけをぎらりと光らせ、獲物が掛るのをじっと待っているようだ。
薄暗い闇が、果てしなく延びている―。

昼間でも一人で入るには、少し躊躇ってしまう。



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