冷たい上司の秘密の誘惑
その優しい撫で方に、安心した私は、

体の緊張はほぐれていく。

…間もなく、私は夢の世界へと落ちていく。


******


・・・朝。

目が覚めると、篠田部長は、腕枕をしたまま、

寝息を立てていた。


・・・こんな時間を過ごしたのは、初めてかもしれない。

私は、篠田部長を起こさないように、そっとベッドから抜け出した。


顔を洗い、キッチンへ向かう。

・・・朝ご飯の準備でも、そう思い冷蔵庫を開けるも、

中には、ミネラルウォーターくらいしか入っていなかった。


…近くのコンビニでも行くか。

ササッと着替えを済ませた私は、コンビニに向かった。


卵と、パン、少しの野菜を買い、元来た道を帰った。


…ガチャ。

ドアを開けた瞬間、私は羽交い絞めにされるほど、

きつくきつく抱きしめられた。

…なんとか上を向くと、篠田部長が、血相変えているのが分かった。


「どうしたんですか?」

「・・・帰ったのかと思った」

「・・・」

確かに、帰れたはずだけど、逃げる事は止めた。

…篠田部長と、しっかり向き合いたくて。
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