ネコがくれたモノ。
俺は昨日、傷つけた。
「このまんまでいいのかよ。
いっつもあっちからのアクションを待ってるだけじゃなんにもかわんねぇよ。
失ってから遅いなんて前にわかっただろ」
「わかってる」
「わかってねぇよ」
「怖いんだよ!また失うことが」
怖い。
大切な人がいなくなることが。
「そんな恐怖心ばっか持ってたらなんも変わんねぇよ、一生」
「そうだな」
「俺は澄美に対して前に進んだ」
まっすぐに俺を見る遥翔。
それは何も迷いがないような瞳で。
まるでレイみたいな瞳だった。