ネコがくれたモノ。



バンッと音がしたとき、
ああ、遥翔はいなくなったんだと思った。


自然とため息が出る。


自分から会いに行かなきゃきっと会ってくれない。


「…木島さん……」


大切な友だち。


遥翔同様、失いたくない。


携帯をとって木島さん宛のメールを開く。


なんていえばいい?


謝りたいから、会いたいとか?


…そんなんであってくれんのかな。


女みたいだな、俺。


そう思いながら麩を開けてベッドに寝転がる。


天井を仰ぎみてゆっくり目を閉じた。



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