ネコがくれたモノ。



「そういう、木島さんは?高校生でしょ?」


ぱっと顔をあげてあたしを見る。


それはさっきと変わっていなくって、あたしは安心した。


だけど、


少しだけ目がさみしそうに見えた。


「あたしは、高3です」


「ええっ!ごめん!こんなくだらない話に付き合わせて!」


「いいんです、推薦で行こうと思ってるんで少し休憩で」


「でも…」


「実は昨日、指定校ダメだったんです。
すごくショックでそんなときに出会って頑張ろうって思えたんです。
今日は休憩。明日から頑張るので」


「そ、そっか」


なんだか納得していないような相沢さん。


あたしはついつい笑ってしまった。


「なんでそんなに、相沢さんが心配そうなんですか」


「え?」


「ほんっと、優しいんですね!」


あははっと笑っているときょとんとあたしを見てそれから一緒に笑った。


「全然、優しくなんてないよ…」


ぼそっとつぶやいたその言葉。


あたしは聞こえていなかった。



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