ネコがくれたモノ。
「はーい、ストップ!」
出ていこうとするとチャラそうな男の人は仁王立ちであたしの目の前に立った。
「えっ?」
身長も高いしなんか怖い。
「ほら、怖がってるよ」
「新しい家族ってコイツだったの?」
「は?違うよ。その子が持ってる猫ほう!」
「あ、こっちか!」
あたしが抱き抱えていたレイを見て、
さっきとは全く違う優しい笑顔で赤ちゃん言葉を使い始めた。
「ほら、こんなんだから送ってくよ」
「いいんですか?」
「うん、もう真っ暗だしね。
レイと遊んでて」
あたしからレイを、抱き上げて取るとその男の人に渡して玄関へ歩いていく。
まっすぐにレイがまんまるな瞳で見つめてくる。
バイバイ、と心で言って玄関に走っていった。