ネコがくれたモノ。



ほんとに暗い。


それに寒い。


となりの相沢さんはゆっくりとあたしに合わせて歩いてくれてる。


息が白く出ていてそれが寒さを表していた。


「あいつ、いいやつなんだよ」


「いや…」


「ああ見えてめっちゃ頭いいしね」


「そうなんですか?」


「うん。全然頭いいよ。すごい努力家」


あたしを見てニッと笑うとまた前を向いた。


「また遊びにおいでよ。
あいつのことも紹介するからさ」


「いいんですか?」


「レイとあそびたいでしょ?」


「はい」


はい、とは言ったものの。


少しだけ、相沢さんにも会いたいと思った。



< 21 / 221 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop