ネコがくれたモノ。
スーパーで適当に買ってアパートに向かう。
インターホンを押すとゆっくりとドアが開いた。
中から弱ったような目をした相沢さんが出てきた。
そして、泣きそうな顔をして笑った。
「いらっしゃい」
「あいざ…」
腕を引っ張って中に入れるとドアの鍵を閉めてしまった。
あたしは驚いてそこから動けない。
相沢さんが想像していたよりも弱っていたから。
「ごめんね、いきなり呼んで」
「大丈夫ですよ」
「木島さん…」
「はい」
「1回だけでいいから抱きしめていい?」
「…えっ?」
「…あー、ごめん。今おかしいんだ。
ほら、中入って」
そういって玄関から奥に歩いていく。
「いいですよ!」
「えっ?」