ネコがくれたモノ。
あたしは靴を脱いでゆっくりと立ち止まった相沢さんのところに行く。
相沢さんはただ黙ってあたしを見ていた。
そしてそっと抱きしめた。
「木島さん…?」
「あたしは何もできないけど、相沢さんの支えになるのならいつだって抱きしめます。泣きたいのなら胸を貸します。だから…無理しないでください」
こんな何回かしかあったことない人に言われたくらないのだろうけど。
あたしの思いを伝えた。
「木島さん、ありがとう」
そしてあたしを包むように抱きしめて首元に顔をうずめた。
ただ、静かな時が流れる。
どれくらい経ったのだろうか。
しばらくして、あたしからゆっくりと相沢さんが離れた。