ネコがくれたモノ。
ヘラヘラと笑ってひとつの段ボール箱を見た。
「捨てようかと思ってるんだ」
「え?」
「今までの写真を」
「どうして…」
「モノとしてあったら俺…一生引きずる気がするから」
段ボールから写真立てを取り出す。
そして、優しく写真に触れた。
「もう、すべてが思い出なんだよ」
「…あぁ」
「なんだかんだで、遥翔も忘れられてないんだろ?」
「……」
言われてみればそうだ。
いろんな意味で、忘れることなんてできない。