True〜新選組と消えた記憶〜




土方が言葉にしたその小さな囁きは、薫の心の奥深くに響いた。


そして、次の瞬間には薫の目から涙が零れ落ちていた。





薫「…っく、ひく………」


土「………何で泣くんだよ。」


薫「だ、だって………私も、好き……………だからっ」





薫が途切れ途切れで紡ぎ出した言葉を聞いて、土方は驚いた。


すると土方は、薫を腕の中から解放して顔を覗き込んだ。


そして、薫の頬を流れる涙を指で拭うと口を開いた。





土「本当に………本当か?」


薫「うんっ……………でも、私…邪魔なんじゃ………ないの?」


土「一一一っ!!んな訳、あるかよ………」




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