True〜新選組と消えた記憶〜
しかし、薫に記憶は戻っていない。
土方は薫に握り飯を渡すと、机に向かって座った。
そして仕事をしながら、薫のことを考えるのだった。
一方、薫も土方から貰った握り飯を片手に考え事をしていた。
どうして土方は、急に記憶の話を持ち出したのか。
それを考えると、薫の中では答えは1つしか無かった。
薫が寝言を言った。
そして、それが記憶の無い薫が知らないはずの言葉だった。
そこまで考えた薫は、ふと思った。
今でも鮮明に思い出すことの出来る夢の内容を、全て土方に話そうか、と。