True〜新選組と消えた記憶〜
暗い暗い部屋の中、1人の若い男と1人の少女が、向かい合って座っていた。
その若い男とは、廉。
そして少女とは、郁のことだ。
2人だけのこの薄暗い部屋を、薫は上から眺めていた。
廉「お前には、辛いかも知れないぞ。」
郁「………大丈夫です。」
廉が心配そうに見ている郁の目には、微かに決心の色が浮かんでいる。
暫く2人の視線が交差して、郁の決意の堅さを廉は感じた。
そして、廉は顔を引き締めると口を開いた。
廉「お前は京へ行き、壬生浪士組に入りなさい。そして情報は古高に全て伝えなさい。仲間も数人居るから、困ったら頼るといい。」
郁「分かりました。必ず、成功させます。」