True〜新選組と消えた記憶〜




すると薫は、その一輪の花を見たときにある言葉を思い出した。


その言葉とは、目の前で咲いている花のことを詠んだ、ある1句。





薫「………ふっ、ふふふ」


猫「にゃん♪」





薫が不気味な笑みを浮かべると、猫は楽しそうに土方の部屋の襖に近付いた。


そして猫は、襖を爪でかりかりと掻いて音をたて始めた。





すると、部屋の中で土方が筆を置いて立ち上がる音がした。


猫は、そんな些細な音を聞き逃さずに直ぐに襖を離れた。





その間、薫は猫が戻ってくるのをずっと待っていた。


そして、猫が戻ってくるのを確認した薫は、息を大きく吸い込んだ。




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