True〜新選組と消えた記憶〜
総「こうやって見てると、本当に一君って器用だよね。」
斎「………そうか。」
総司の呟きと斎藤の返事以降、部屋には静寂が訪れた。
ただ、斎藤が薫の髪を切り揃える音のみが響いた。
そして斎藤が整え終わる頃、急に部屋の襖が勢いよく開かれた。
一一一一一すぱーんっ
烝「大変や、長州の連中が池田屋に集まっとる!!」
近・土「「一一一何っ!!?」」
山崎の言葉に、部屋は緊張に包まれた。
恐らく長州の者は、新選組に捕らわれた古高を奪還しようとしているのだろう。
土方は小さく何かを呟くと、勢いよく立ち上がった。