LOVE School Life Ⅰ【完結】
私が見たあれは、もしかしたら客だったのだろうか。
女の人と歩いていた瞬を思い出す。
確かに、相手は明らかに年上だったし、客だって言われても違和感ないかも。
…それにしても。
どうして、そういうとこで働いてるんだろう。
お金が必要なのかな。
そもそも、そういうとこで働けるのかな。
年齢的に。
テーブルを囲むように座れば、すやすやと眠る瞬の話題。
「…俺、断固反対」
「だよな。俺も反対」
「俺も」
三人はデートクラブというモノに苦言を呈していた。
働くなら確かに、他にもあるからね。
…給料は安いかもしれないけど。
「…今日、付いて行かない?」
「何それ」
「名案」
結城の提案に、二人は目をキラキラとさせている。
それからは、瞬に聞こえない様に小声で話していた。
…瞬がこんな近くにいるのに、話すのがおかしいと思うんだけど。
私は頬杖をつきながら、三人の話をとりあえず聞いていた。
目線は瞬だったけど。
瞬の体が定期的に動く。
よくここまで眠れるなあと、思わず感心。
…だけど、自分も今日爆睡したから何も言えないな。