LOVE School Life Ⅰ【完結】
「…秋人」
何、その情けない顔。
眉を八の字にして、今にも泣きそうじゃん。
その顔…こっちまで胸が痛むじゃん。
「どっか遊びにでも行く?」
首をふるふると振って、秋人は私の腕を掴むと距離を詰める。
何も言わないまま、後ろからきゅっと私を抱き締めた。
すっぽりと秋人の腕の中に収まる私。
微かに震えている様に感じる秋人の手。
「ちょっとだけ。だから…」
周りにたくさん人が通ってるし。
拒否しようと思えば。
きっと一言放してって言えば。
秋人は放してくれたはずだ。
でも、そうしなかったのは。
秋人が今にも壊れそうだったからだ。