LOVE School Life Ⅰ【完結】
“好きな人には一途だしー”
秋人。
今でも、麗さんを忘れてなんかないよね。
私が他の女と違ってたから。
だから、興味持っただけでしょ?
「本当にどうしたの?」
目の前に立って私の手を取ると、秋人が真面目な口調で言った。
「だから、何でもないってば~」
あははって笑っておどけて、見せるけど。
秋人は至って真面目で、誤魔化させてはくれない。
最初の頃の秋人はどこ行ったんだ。
あんなに調子良かったのに。
「もしかして、さっきのキス、本気で嫌だった…?」
そうやって、眉を下げて尋ねる秋人。
その言葉に目を瞠る。
「…だよなあ。愛ちゃんは俺の事好きでも何でもないしね」
「……」
「愛ちゃん、ごめんね」
違う、そう言いたいのに声が出ない。
違うんだよ、秋人。
私だって、そんな悲しい顔をさせたいわけじゃないんだ。