LOVE School Life Ⅰ【完結】
「行こうか」
秋人は私と手を繋ぐ事もなく、前を歩く。
私は少し距離を開けながら、後ろを付いて行った。
秋人は私の事を気遣う様に、たまに振り向いてスピードを合わせてくれる。
…どちらかと言えば、付いて来てるかの確認なのかな。
「着いたね」
「うん、ありがとう」
秋人も何も言わないから、私の家の前まで来てしまった。
ここまで送ってくれる事なかったのに。
「…あのさ」
気まずそうに頬を掻きながら、秋人が口にする。
私は何も言わずに、次の言葉を待った。
「別れるなんて…言わないよね?」
「……」
その言葉に、思わず息を呑んだ。
「まだ、期間はある。だから、それまでは…待って」
「……」
私は頷くしか出来なかった。
何も言えなかった。
もしも、秋人がまだ麗さんを好きなら。
だったら、別れるべきだって思うんだ。