LOVE School Life Ⅰ【完結】
「…清二。俺は今モーレツに悲しい」
「新一、こればっかりは同情する」
後ろでそんな会話がされているのを、当の私達は一切聞いていなかった。
上履きに履き替えてから、教室まで向かう最中。
私を見る周りの目がおかしい事に少し気付いていた。
まあ、でもそれは転校生を見るからだろうと呑気に考えていた。
その原因がわかったのは教室に入った時だった。
「秋人、またねー」
「うん、愛ちゃん、放課後ー」
「はは、ないない」
「つれないなー」
そんな会話をしながら、私は秋人に手を振って自分の教室へと向かう。
秋人は隣のクラス。
私の教室より手前。
自分の教室に来ると、更に私を好奇な目で見る人が増えた様に感じた。
同じクラスの人は転校生ってのは知ってるから、こんな視線感じるのはおかしいよなあ。
何だろ。
そう思って、扉をガララっと開けた私。
その瞬間、ぴたっと騒がしかった教室が一気に静まりかえった。