LOVE School Life Ⅰ【完結】
「そう言えば、彼氏とはどう?」

「んー普通」

「ねえー。秋人が付き合ってくれるならすぐ別れてくるよ」

「あはは、彼氏大事にしてあげて。
んじゃ、俺愛ちゃんと帰る約束してるからここまでね。
行こう、愛ちゃん」

「あっ。うん」

「そっかー愛、まったねー」

「うん、またね」


カバンを持つと、私は先を歩く秋人の後ろに付いて行く。
三人が手を振ってくれたから、それに私も返した。


廊下に出て、昇降口に向かうまでの間、秋人は無言だった。


こいつが無言だなんて、珍しい。


「秋人」

「ん?」

「何でそんな静かなの?」

「そう?俺ってそんないつもうるさい?」

「いや、そう言うわけじゃないけど…」

「何かねえ、愛ちゃんといるとホッとするの」


靴を履き換えながら、秋人はぽつりと言う。


私といると、ホッとする?落ち着くって事?
気を遣わないって事?


「俺ねえ、愛ちゃん放っておけないの」

「え?」


自分の靴を持ったまま、私は秋人を見つめた。

秋人は真面目な顔で、私を見ている。


校庭から差す夕陽が、秋人の髪の毛を赤く照らし出す。
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