極上エリートの甘美な溺愛
「それを聞くと、将平って……なんだか、嫌なオトコだね……あ、ごめん。黙ってなきゃいけなかったね。
どうぞ、続けて続けて」
将平にジロリと睨まれた玲華は、身体を小さくしながら、ははっと笑った。
「だから告白してくれた時も、正直……玲華もそうじゃないかと思っていたんだ。そのうち俺に飽きて、離れていくんだろうなと思っていたし、純太の方が玲華のことを大切にしてくれるんじゃないかって勝手に思ってたんだ」
「……ホント、勝手だね」
「悪かった……どれだけ俺が後悔したのかを今更言っても……遅いよな?」
「遅くはないけど……」
頭からその恋愛観を否定したくなるような将平の告白に、玲華は複雑な思いでため息をつく。
高校時代、将平が女の子から人気があることは周知の事実だったとはいえ、そんな身勝手な考えを持つほどの経験をしていたなんて思わなかった。
玲華は、高校時代に自分の告白を拒んだ将平の真意に触れて、これまで将平に対して残っていた頑なな未練のような思いから少しだけ解放されたように感じた。
未練というよりも、自分の気持ちが拒まれた理由がわからないせいでおろすことができなかった重苦しい感情の縛りが、わずかに緩んだような気がした。
そして、自分の事が本気で嫌いで拒んだわけではなかったと知り、思いがけず、ほっとした。