極上エリートの甘美な溺愛
将平が自分を拒んだ理由は、彼にとっても切ないもので「そんな考えはおかしいよ」と。
玲華は高校生だった頃に戻って言ってあげたいと思うけれど。
今の将平が、そんな愚かな思いを全て払拭しているのかどうかもわからない中では、将平の気持ちを受け止めることが怖くもある。
突然再会したことに驚き、ようやくそのことを受け入れられるようになったばかり。
玲華の将平への恋心はまだ残っているとはいっても、もう傷つきたくないという臆病な気持ちもあるせいか、「やり直したい」という将平の言葉をそのまま信じていいのかと苦しくなる。
将平の思いに応えて、寄り添いたいという気持ちも大きいけれど……。
自信がない。
なんて、自分は弱気なんだろう。
玲華が自分の気持ちを探りながら俯いていると。
「これも今日のおすすめだから、サービスしておくね。暗い顔をしながら食べるなんてやめてよ。自信作なんだから、明るい笑顔でおいしく食べなさい」
藍香が大皿を手に立っていた。