極上エリートの甘美な溺愛
「さっきの続き。というよりも、『リブロ』の続きをしたいって言っただろ?」
「えっと。それって……」
「この店も、『リブロ』も、俺にとっては実家に近い感覚なんだ。小さい頃から気軽に来ては家の食卓のように食事をして。……俺が気持ちを許せる数少ない場所。だから、ここかからやり直したい。『リブロ』ではうまく言えなかったから、今日ここに連れてきたんだ。
もう、遠回りなんて面倒なことはしない。玲華と付き合いたい。今言わなかったら、これからも何かと理由をつけて食事に誘っては、ただ手を握りしめてるだけのオトコのままだ」
玲華をじっと見つめながら、揺れる事のない強い視線で思いを告げる将平。
玲華の告白を拒んで以来、それをずっと後悔していた自分に決別するつもりで、口にした言葉。
高校時代、恋愛を斜めから醒めた目で見ていた自分を捨て去るように将平は続けた。
「もしかしたら、高校時代から持っている玲華への未練が今の俺に大きく残っているのかもしれない。そのことにこだわって玲華を忘れなかっただけかもしれない。だけど、玲華と再会できて、今の俺が今の玲華のことを、好きだという気持ちに嘘はないんだ。
もちろん、卒業してから今まで、女の子といろいろあったことはどうしようもないけど、それでも、玲華と再会した偶然を無駄にしたくない」
テーブルに置かれている玲華の手の側に自分の手を寄せた将平は、ぐっと唇をかみしめ何かを待つように玲華を見つめた。