極上エリートの甘美な溺愛
「……玲華の気持ちもよくわかる。だけど、俺は玲華のことを本気で好きだし、というよりもずっと想ってきた。この手に取り戻せるなんて思いもしなかったけど、今はこうして俺の目の前に玲華はいるんだ。
玲華には悪いけど、俺は諦めない。これまで何年も気持ちは変わらなかったんだ、玲華を待つことくらい平気だ」
「将平……私だって、将平のこと、好きだよ。でも」
「ああ。もういいよ。玲華が俺の事を信じられるようになるまで、待つから。
だから、これからも二人で会いたいし、こうしてでかけたい。もちろん、デートとして」
そして、ゆっくりと。
将平の手が、玲華の手の上に重なった。
周囲のざわめきの中、それすら聞こえないような二人だけの世界。
そんな錯覚を覚えながら見つめ合う二人を、少し離れた場所から藍香が苦笑しながら見つめていた。
どこかぎこちないながらも、嬉しそうに頬を染める玲華を、優しいまなざしで見つめる将平。
チキンサラダを用意して二人を後押しした藍香は、自分の仕事ぶりに満足して大きな笑顔をを作った。
「さ、おいしいデザートでも用意してあげようかな」