極上エリートの甘美な溺愛
玲華は、自分の体に染み入る将平の気持ちの強さに圧倒されながらも、その強さが不思議と心地よく、逃げることも拒むこともできない。
将平とのこれからをなんの不安もなく受け入れられるかどうか、まだ自信はないけれど、それでも将平のことが好きだと思う気持ちも確かにある。
一方では、その気持ちが高校時代の好きとは違うものだという事にも気づいている。
将平の見た目が更に素敵になったからだけではない。
将平が自分の夢を叶える為に努力を続けたに違いない、自分が知らない時間。
そして、その時間から得た自信。
玲華のことを好きだとまっすぐに告げてくれる強さ。
そのどれもが玲華の気持ちを引き寄せ、いずれは将平に堕ちてしまうだろうと予感させる。
「いつかは将平と……」
くすりと笑った玲華が漏らした言葉に、将平は首を傾げた。
が、すぐにその言葉の意味に気付いて大きな笑顔を浮かべた。
二人は高校生ではなく、既に大人だ。
キスなんて、敢えて構えることもないこと。
玲華にも恋人と楽しく過ごしていた時期があったのだから、当然キスだって経験したことがある。
キス以上のことだって経験しているが、玲華にとって、将平とのキスはこれまでの経験を総動員しても、超えることができない特別なものに思える。
心から大好きで大切な人とのキスは、中途半端な気持ちではできないと、とっくに大人になっている玲華は知っている。