極上エリートの甘美な溺愛
ショッピングモールで二次会に必要なものを買いそろえた二人が、荷物を車に運び入れていると、不意に背後から声をかけられた。
多くの人が行きかい、ざわめく中で聞こえた声に振り向くと、
「ご苦労様、とはいっても楽しそうだな」
将平の車を停めている場所から数列隣の駐車スペースの車。
これもまた『Rin』だった。
将平のシルバーとは違ってホワイトが爽やかに輝く、その車からおりてきたのは、将平と玲華を交互に見つめる男性と、長身の女性。
誰だったかな、と首を傾げながら将平を見上げると、彼は面倒くさそうな表情で軽く舌打ちをしていた。
どうも将平が会いたくない相手らしい。
「よ。デート?」
将平と玲華の目の前に立った男性はからかうように言って、目を細めた。
気安げに将平の隣に立ち、玲華と将平を交互に見る。
将平はその様子に面倒くさそうに舌打ちし、そしてため息をついた。
「ああ、デートだよ。……うらやましいだろう」
軽い口調でそう言うと、自分の背後にいる玲華を振り返った。
将平の背後から二人のやり取りを見ていた玲華はその言葉に驚き、顔を真っ赤にした。
ほんの少し前、将平から思いを伝えられたとはいっても、まさか友達に自分の事をのろけるなんて想像もしていなかった。
「将平……あ、あの?」
思わず将平の腕に手を置き、その顔を覗き込む。
「うらやましいなんて、お、おかしいし……」