極上エリートの甘美な溺愛
「で?ビンゴゲームの景品の調達はうまくいったのか?」
慎が含み笑いを浮かべながら問いかける。
将平は慎の声に何かを感じたのか、顔をしかめて軽く睨んだ。
お互いをからかいながらもその口調は親しげだ。
「将平……?」
将平を見上げながら、玲華は小さな声で呟いた。
「ああ、こいつら俺をからかうことを生きがいにしてるだけだから、気にすることはないんだ」
玲華の気持ちに気付いたのか、将平は安心させるように頷いた。
自分の後ろで心細げに立つ玲華が可愛くて仕方がない、とでもいうように。
そして、玲華の背をそっと押して自分の前に立たせると、玲華の耳元に口を寄せた。
「俺の同期の慎。あ、こないだの二次会の打ち合わせにも来てたけど、覚えてないか?」
「え……あ、そう言えば」
思い出した。
あの日将平の隣にいた男性、そう言えば、この人だ。
あの日は将平との再会にばかり心を奪われて、それ以外のことには意識を向ける事ができなかった。
玲華は申し訳なさそうに頭を下げた。
「ごめんなさい、あの日は緊張していたというか、びっくりしていてよく覚えてなくて」
「いいよいいよ。将平と劇的な再会だったんだろ?高校卒業以来ならびっくりするのもわかるし」
「劇的って……えっと、その」
慎の言葉に更に慌てた玲華は、顔を真っ赤にしながら否定の言葉を探すが、うまく答えることができない。