極上エリートの甘美な溺愛
「え?将平?」
助手席のドアを開けようとしたまま、近づいてくる将平の姿を見つめ、呆然と立ち尽くす。
どうしてここに将平が現れたのか、その理由が全く思い浮かばない。
スーツ姿で猛然と走ってくる姿に驚きながらも、それすら格好いいと感じる自分に照れ、将平から視線を離せない。
あっという間に玲華の前にたどり着いた将平は、両手を膝に置き、荒い息づかいを整えようとしながら玲華をじっと見つめている。
苦しげな呼吸からは、かなり必死にここまで走って来たんだとわかる。
その様子に玲華は更に戸惑い、首を傾げた。
「……将平?」
将平の顔を覗き込むように腰を落とすと、呼吸を整えようとしながらも、必死で苦しげな言葉が将平の口からこぼれる。
「玲華、今回も断ってくれよ。純太の告白を断った時みたいに……プロポーズ、断ってくれ」
「プ……プロポーズ?」
「今回は譲らない。自分の気持ちを封印するなんてずるいことはしないから、プロポーズは断ってくれ。今度は俺が告白するチャンスをくれ」
「あ……あの、将平、何言ってるの?」
「好きなんだよ。今も、高校の時も。あの時は純太の気持ちを知っていたから譲った方が玲華のためだと思って諦めたけど、もう二度と玲華を諦めないし、あんたに譲るなんてしない」
「あ、あんたって、将平……?」
あわあわと焦る玲華は、将平の視線の先に体を向けた。
ここまで感情をぶつけてくる理由もわからず、再会して以来初めて見せられる将平の鋭い視線に体中がざわめく。