極上エリートの甘美な溺愛



玲華と将平の二人にとって思い出のショールームに、夢を現実に変えた将平がいた。

高校時代、将平と玲華との距離を一気に縮めたあの日。

将平に連れてこられたこのショールームを覗きながら、夢を語る瞳に射られた玲華。

大人になった今なら、きっと恋に落ちたのはあの瞬間だとわかる。

玲華は当時のことを懐かしく思い返しながら、ざわめくショールームの入口から中を見ていた。

ショールームの中央で紺のスーツで接客する将平は輝いていた。

昔から人を引き付ける魅力があったが、今は仕事に対する誇りと喜びを身にまとい、一層格好よくなっていた。

玲華がしばらくの間、見惚れるように将平を見ていると、将平の傍らに一人の女性がやってきて親しげに話しかけた。

淡いピンクの制服を着て、ハイヒールをはき、背筋が伸びたとてもきれいな女性だ。

誰かに似ているような気がする。

ちらりとそう感じたと同時に、玲華は記憶の中にある一人の女性を思い出した。

そっか、美保に似てるんだ。

卒業式の日に将平に告白して彼女となった美保も、かなりの美人だった。

今も、美保に似た美人が将平の側にいる。

美保とは卒業してすぐに別れたと、夕べ将平が言っていたことを玲華は思い出した。

だからといって、その後彼に何もなかったわけがない。

きっと、たくさんの女性が将平の側にいたんだろう。



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