極上エリートの甘美な溺愛

そんな玲華の様子を見ながら、将平の表情はすっと消えていく。

自分に声をかけることなく帰ろうとした玲華に気付いた時に生まれた痛みを再び感じる。

篠田の車に乗ることが、そんなに嬉しいのか。

目の前で優しく笑う玲華を見ながら、将平はぐっと手を握りしめた。

篠田とはどういう関係なのかと、不安ながらも聞こうかと思った時、玲華が腕時計を見て時間を確認した。

昼休みもそろそろ終わってしまう。

玲華の職場からここまで歩いて15分となれば、そろそろ戻らないといけない。

こうして将平と話すことができて、それだけでもラッキーだったと思いながらも、残念な気持ちは隠せない。

「せっかく来たけど、また、ね」

名残惜しい気持ちをどうにか隠しながら、玲華はそう言った。

さっき、将平と一緒にいた綺麗な女性の事がちらりと浮かび落ち込みそうになるけれど、その気持ちもうまく隠して笑って見せる。

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