極上エリートの甘美な溺愛
その後大学を卒業し、自分が夢見ていた未来を手に入れて、思い通りの仕事に就いている今でも、玲華へ愛情を捨てきれずにいた将平。
順調に進めてきた自分の人生だが、このことだけは想定外だった。
大学時代、女性と何もなかったとはいえないが、それでも将平の心には、玲華の存在がいつもあった。
普段ならその気持ちを上手に隠すことはできても、お酒が入ると途端に口にしてしまう名前。
将平の同期たちの間では、それは有名な話だ。
高校時代の純愛をそのまま美化して引きずっていると呆れた視線を向けられたこともあるが、将平にとって玲華は、ずっと特別な女性のままだった。
特別であり、二度と交わることのない関係だとも思い、諦めていた。
「将平、奇跡なんだろ?その、玲華ちゃんに再会できたのってさ」
まだ顔が赤い将平に、真面目な口調で慎が声をかけた。
「自分の気持ちをちゃんと伝えられずに傷つけたんだろ?
もう、間違うんじゃないぞ?」
「そうよ。せっかく会えたんだから、とにかくぶつかってみなさいよ。
あれだけ可愛かったらオトコの一人やふたりくらいいてもおかしくないけどさ。
将平の気持ち、今度こそちゃんと伝えてわかってもらいなさい」
慎のとなりにいる千春も両手を胸の前で組み、励ますように頷いた。