極上エリートの甘美な溺愛
将平と同期の二人は、入社以来女の子と付き合おうとしない将平を気にかけ、何かと励ましてきた。
玲華との過去を詳しく聞いて以来、将平の気持ちがちゃんと伝わることを願ってきたせいか、夕べ奇跡的に玲華と再会したと聞いて、自分のことのように喜んでいる。
「もう、誰にも遠慮しちゃだめだよ。玲華ちゃんの周りにオトコの存在があっても、蹴散らす覚悟でぶつかりなさい」
わかった?
と鋭い視線で伝える千春の勢いに負けないように、将平も大きく頷いた。
ようやく会えた、大切な人。
ずっと忘れられなかった人。
将平はそっとショールームの入口に視線を向けた。
既に会社へ帰った玲華の姿がそこにあるわけはないとわかっていても、さっき見送ったばかりの玲華の後ろ姿を思い出し、小さく笑った。
仕事を早く終えて、玲華に会いたい。
もう二度と間違えない。
そう決意した将平は目の前の二人に笑いかけ、大勢の人でざわめくショールームでの仕事に戻った。