極上エリートの甘美な溺愛
卒業式を数日後に控えたあの日。
玲華が意を決して将平に『好きです』と気持ちを伝えてくれたということは、彼女の緊張した表情からすぐにわかった。
自分の気持ちをいつも自分の中に秘めている彼女の口から出た言葉には、とても重みがあった。
彼女がかなり悩んだに違いないということも、胸の前で握り合わせた手が震えていたことからすぐにわかった。
玲華に気持ちを伝えられた時、将平は自分と同じ気持ちを彼女が持っていてくれたことが嬉しくてたまらなかった。
内気ながらも家族からの期待や希望と、それを叶えてあげられない自分の不甲斐なさとに必死に折り合いをつけながら将来の道筋を作っていた玲華。
そんな玲華と親しくなるにつれて、将平は彼女を好きにならずにはいられなかった。
卒業後も、側で過ごしたいと思っていた。
友達としてではなく、恋人として付き合っていきたい。
自分から、ちゃんと気持ちを伝えようと、その時期をうかがっていた頃。
二人と同じクラスの純太も玲華が好きで、卒業式に告白すると仲間たちに宣言した。