極上エリートの甘美な溺愛
将平とのことがなかったにしても、純太のことが好きだとは思えない限り付き合うことなんてない。
そして、純太を好きになることもないと思っていた自分の気持ちを、将平はちゃんとわかっていなかった。
そのことに、玲華は思った以上に落ち込んだ。
将平は玲華の言葉の強さと自分の思い込みに驚き、ただ玲華の様子を見つめている。
そんな将平に、玲華は言葉が止まらなくなっていた。
ふられてすぐに他の男の子と付き合えるほどの軽い気持ちで将平に告白したわけではない。
玲華にとっては全身全霊の思いを将平に伝え、そして傷ついたというのに。
そんな気持ちは将平に伝わっていなかった。
玲華の中にくすぶりつづけている将平への恋心と、純太の告白を拒んだ時の切なさを思い出して、気持ちは大きく揺れている。
「私、本当に将平の事が好きだったから、正直にその気持ちを純太に伝えて、断ったの。純太はそうじゃないかと思ってたって言って……。おまけに、将平も本当は私と同じ気持ちだって励ましてくれたのよ。そして、もう一回将平に告白して来いって背中を押してくれたのも純太だった」
そこまで話した玲華は、自分の強気な口調を落ち着かせるように大きく息を吐いた。