極上エリートの甘美な溺愛
思いがけない再会とその後の展開に戸惑う気持ちはもちろんあるけれど、それ以上に嬉しい気持ちの方が大きくて、わくわくする気持ちは否めない。
玲華はそっと将平の横顔を盗み見て、相変わらず整いすぎている横顔にどきりと反応する。
そして、そんな気持ちを素直に受け入れて、今日一日を楽しもうと、決めた。
たとえ、将平との楽しい時間が今日一日のことだとしても、というより、今日一日のことだから、楽しまなくてはもったいない。
こんな風に前向きに考えられるようになったのも、社会人になって厳しい現実に直面する度に鍛えらえたせいかもしれない。
高校時代とは違う、しっかりとした自分に少しずつ変わっていく時間を心地よく感じ、時に涙をこぼしながらも、今の自分を作り上げてきた。
玲華には、高校時代の静かな自分は今の自分を作り上げるための基礎固めの時期だったようにも思え、そして、少しは強い大人へと成長したはずの自分を気に入っている。
それなのに、将平がデートだと口にした途端、右往左往する自分に不甲斐なさを感じ、昔の自分に戻ってしまったかと気落ちする一方で。
将平への気持ちが蘇ったことに、気持ちも弾み、自然と笑顔も浮かんだ。
せめて今日一日だけは、将平との時間を楽しもう。
そう、きっと今日一日だけだから。