極上エリートの甘美な溺愛
それに慣れ、気楽だと思うようになった自分に苦笑しながらぽつり、呟いた。
「仕方ないとは言っても、寂しいよね」
「まあな」
寂しいけれど、仕方がない。
友達と休みが合わなければ一緒に遊びに行くことも難しいのだ。
きっとそれは友達関係だけではなくて、恋愛においても同じことが言える。
この仕事を始めてからというもの、恋愛を諦めてしまっている自分に気付いている。
玲華にはここ数年恋人はいなかったが、会社の同僚たちの恋愛を見ていると、ことごとく休日が違うということでダメになっている。
もちろん、別の会社に勤務する男性との付き合いを続けて結婚にたどり着くケースもあるが、それはごくごく少数で、稀だ。
会えない日が続けば、お互いの思いがすれ違っていくと、会社の先輩が言っていたな、と玲華はふと思い出す。
だから、社内恋愛が多いのよ、と笑っていたっけ。
「将平の会社も、社内恋愛が多いの?」
ふと、玲華は聞いてみる。
「んー。多いかもな。恋人と休みが違うってだけでハンディだから。学生時代からの恋人と続いてる方が少ないな」
「私の周りも一緒。同じ部署で社内結婚してる人も多いし。それに、結婚してからも土日が休みじゃないと子供の学校行事に参加できないから、奥さんの理解も必要だし。
その点、同じ会社で働いていればわかってもらえる」
「……玲華は?」
「え?」
「社内恋愛、したことは?」
不意に聞かれて、一瞬言葉を詰まらせた。