いつか見つけてね。
いつもの濱野さんじゃない雰囲気に驚いたのは確か。


社会人とは年上の人とも付き合いがあって大変なんだと思ったけど


まさかおじさん捕まえてあんなふうに話すのを見るとは思わなかった。


昔、アメリカにいる時ぐらいしかお父さんの会社事情を知ることがなかったから


でも、サラリーマンはいろいろあるんだなって思わされる。


少し静かにしていると


「美穂、今日はもう家まで送る。

車とりに行こうか。」


そう言って優しく話してくれた。



多分、まだ腹の虫がおさまっていないみたいだけど


私の手を取ると歩き出した。






ドアまで濱野さんに送ってもらうと彼はそのまま私をドアに送り込んで帰っていった。


まだ史君は帰ってなかった。


ちょっと話したい気分だったのに。


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