いつか見つけてね。
「お前何やってるんだこんなところで?」


いきなり部屋の奥から出てきた人に濱野さんが驚いたみたいに言った。


綺麗な人。

私より年上、濱野さんと同じぐらいかな、髪の毛を一つに束ねてこんなところには似つかない格好をしている。

旅行ならもっとラフな格好だと思うのに、彼女はスーツを着ていたから。



そして、濱野さんを見た後その彼女が私のことを射抜くように見つめた。


「この方は?



だーれ?



どうしてここに来てるのよ。」


多分、この口調から私はこんなところに来る資格がないと言われてるみたい。


「俺がそれを聞いてるんだ、


お前こそ何でここにいるんだ。

ここはお前の来るところじゃないだろ。」


すごく苛立ったみたいな口調で濱野さんが彼女に言い放す。


「だって、あなたのお父様に頼まれたんですもの。


様子を見てきてくれって。」


この空気はとっても居辛い。


「出て行け、ここには来るな。」


「ま、そんなひどい。


許嫁に言うことなんですか?」









いいなずけって、婚約者だよね。
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