いつか見つけてね。


美穂が繋いでいた手を解いて俺の前から走って逃げた。

追いかけようと思ったのに、こいつが駆け寄ってきて俺の体に手を回して離さない。


「おかあ様に会いに来たんだよ。

おとう様が忙しくって来れないって言っていたから。


でも、おかあ様私の顔を見たらすぐに部屋から出ていっちゃった。





私は、光信の婚約者だよ。


でしょ?」



「違う、もうそんな昔の約束なんて無効だ。」


辰野まりな、俺の若かりし頃の恋人。




俺が、アメリカに送られた原因の女。
















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