いつか見つけてね。


「まりな、俺言っただろ?

アメリカへわたってから。

もう、俺のことは忘れろって。


あれは、若気のいたりってやつで、

約束って言っても、俺はあっちで適当にしてたんだ。

お前のことなんて全く眼中になかった。

お前もそうだっただろ?




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でも、今俺はアイツが好きなんだ。

アイツじゃなきゃだめなんだ。

アイツを愛してるんだ。」


「光信君の事待ってるって言ったじゃない。

あれから、アメリカに行ったあなたが帰ってきても恥ずかしくないようにいっぱい勉強して、


会長と、奥様にはあまりいい顔されていないのはわかってるけど、

それでも、私は水友系列の会社の秘書としての地位も手に入れたわ。


私をご両親が認めてくれたからってことでしょ?」


俺を抱きしめたまま、まりなが上目遣いで俺を見上げる。

こいつは、昔から綺麗な顔をしていた。

透き通るような白い肌に、少し厚い唇。

歩いていたら誰もが振り返ってしまうくらいの美貌。



でも、そんな目で見られても俺には何の欲望も湧いてこない。


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