いつか見つけてね。


俺の体が強張る。

先ほど美穂は出ていった。

まりなのせいで足止めを食らった。


でも、もしかして美穂が帰ってきてくれたのかと密かな期待もしていた。



「ただいま、ママ~,ママさ~ん?」


なんて甘えたな話し方に驚く間もなく、男が入ってきた。



「ウッ、


光信、お前何してるんだ。」


急に先ほどの甘えた声から一転、威嚇を見せるかのように低い重低音の声で話し出す。


そして、俺の腕に絡まっているこいつを見ても表情を変えず、


「母さんに会いに来たのか?








母さんは?」


俺のこの状態を全く無視して母さんを事を心配している。




その時、まりなが俺に絡みついていたのやめて


「会長、奥様は先ほど散歩に出られました。」


と秘書らしくキリッと態度を変える。



そして、親父が俺らを見据え、


「お前ら、長い間付き合ってるんだな。

こんなに二人が成長して。


あの時、母さんとお前らを離してよかった。




で、二人揃って挨拶にでも来たか?



「んなっ。」






親父は完全に誤解している。
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