いつか見つけてね。
「わ~、ホントこのお蕎麦美味しいですね。


私、山菜蕎麦食べるの初めてです。


これって全部このへんでとれるもんなんですね。」


二人向かい合って話しながらお蕎麦をすすった。






「やすえさん、私、さっきの話のハッピーエンディングを考えてみたんですけど、


聞いてくれます?」



「美穂ちゃんの話聞いてみたいわ。


話して!」


食後のお茶を飲みながら、デザートに出された酒饅頭を食べている。



「私、その天女さんは旦那さんを空から毎日見ていたんだと思います。

だって、天の使命だから帰らないといけない、でも彼をおいていくのは辛かったんじゃないかと。




そして、いつか見つけてくれたらって、羽衣を半分彼の家に残したんだと思うんです。






いつか見つけて、



彼が天に、彼女のところに来てくれるって。




私が天女ならそうしたいなって言うのが、



それが天女の本心だったらいいなって思うんですけど、




どうですか?」








その時、私の携帯が鳴り響いた。
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